manabyは、障害の有無にかかわらず、すべての方がeラーニングで心のケアに関する知識とスキルを学べるeメンタルヘルス・サービス『セルフコーチング』の開発に取り組んでいます。
■開発背景
manabyは、「一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる」というミッションを掲げ、eラーニングでITスキルを習得できる職業訓練、在宅勤務を含む就労活動、及び就労の定着を目指した包括的なサポートを提供しています。
利用者(以下、クルー)は、就労に向けて経験を積みながら支援員と共にスキルの獲得に取り組んでいます。しかし、就労活動の中では、
しかし、これらの心の問題に対して、クルーの方々、事業所のスタッフ、一般企業の担当者は、自分で心のケアをする心理学の知識とスキルを十分に学ぶ機会が少なく、また、心のケアについての“スキル”にばらつきがあり、一人ひとりの力量に頼って心のケアに関する課題を解決している現状があります。
これらの心のケアに関する課題がある中で、「就労のシーンで使える心理学の知識とスキルが欲しい」というmanabyのクルーの方々、さらに「心のケアをする標準的な知識とスキルが欲しい」というスタッフの声を受けて、manabyでは課題解決のために心理支援を専門とする東北福祉大学 平泉 拓 助教(臨床心理士・公認心理師)の研究チームと共に、1年間をかけて、サービス開発に取り組み『セルフコーチング』の開発に取組んできました。
『セルフコーチング』は、心理学の知識とスキルを習得し、日々の気持ちと行動を整理し、人との関わりをより円滑にすることができるeラーニングのコンテンツです。はじめに基本的なITスキルを順番に学び、就労の本格準備に入った段階で『セルフコーチング』を学びます。約1か月かけて7つの主要なワーク、全28種の動画コンテンツを自分のペースで習得します。
■『セルフコーチング』の概要
●名称
『セルフコーチング』
●提供開始日
2019年8月15日(木)
●目的
自分の気持ちと行動を整理できる
人との関わりをより良くする
心理学の知識とスキルの習得
●内容
約30時間(7つの主要なワーク、全28種の動画コンテンツ)
自分のペースで約1か月かけて繰り返し習得
■開発スタッフの声
「これからは、WordやExcel、Photoshopやプログラミング言語など会社で使うスキルの動画コンテンツのほかに、クルーの方々の内面も大切にする、一人ひとりが自分らしく働くためのコンテンツを増やしたいと考えています。理想は、一人ひとりが新しい考え方を知ることができ、対処の方法を知ることができたり、何か前向きに考えられるコンテンツです。さらには、スタッフのサポートにもつながる形になればと願っています。」(桃生)
「manabyではクルーの方々の個性を大切にするダイアローグ(対話)を重視し、きめ細やかなサポートを通じて、一人ひとりの能力や好みに合わせた「新しい働き方」の実現に取り組んでいます。そのために、個々の課題に合わせた適切な心のケアを実現したいと考えており、チームの皆さんとともに心を込めてサービスを開発しています。『セルフコーチング』は、クルーの方々だけでなく、スタッフも共に、それも安心・安全にスキルを学ぶことができるツールです。このツールをきっかけに、クルーの方々とスタッフのより良い対話と気づきが生まれると幸いです。」(平泉助教)
■雑誌掲載情報
『セルフコーチング』の開発に関する論文が、下記の月刊「地域ケアリング」(北隆館)2019年9月号に掲載されます。
●書誌情報
平泉拓・高木源・坂本一真・二本松直人・石飛綾那
就労移行支援におけるeメンタルヘルスケアサービス『セルフコーチング』の開発
月刊「地域ケアリング」(北隆館)2019年9月号 p.69-74
●論文概要・謝辞
eメンタルヘルス(eMental health)―インターネットを介して提供される心理に関する支援―は、
さまざまな理由で心理支援にアクセスできない方の障壁を取り除き、また、心理支援のあり方を
最適化できる便益があります。この論文では、manabyと筆者ら心理士のチームが共同で開発した
eメンタルヘルスのサービス(『セルフコーチング』)の内容が報告され、eメンタルヘルスの
可能性と課題が述べられています。
『セルフコーチング』の開発チーム(名称「ほっとブレンド」)のメンバーである
桃生篤氏(プロジェクトマネージャー)、芦原和香子氏、吉田賢輔氏、
並びにサービス開発にご協力賜りました利用者の皆様、関係者の皆様に御礼申し上げます。
※eメンタルヘルス・サービスは、情報通信技術を用いた心理支援のサービスの総称です。