【寄稿】就労移行支援のポイントー事業所利用前に知っておきたいこと3つ

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manabyを卒業してアーティスト・フリーライターとして活躍され、先日は超福祉展のシンポジウムにも登壇いただきました、林谷 隆志さんによる寄稿記事です。どうぞご覧ください。


manaby卒業生記事 第2弾になります

●超福祉展で卒業生代表として出演

こんにちは。

先日超福祉展に卒業生代表として出演させていただきました林谷(はやしたに)です。動画をご覧になった方で知ってくださっている方もいるかもしれません。僕自身、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けており、かつHSPの気質が強いことで、沢山の生きづらさを感じてきました。

こちらmanabyにも、1年間通所させていただきました。 manaby NEWSでも、記事を紹介させていただきました。林谷をあまり知らない…という方、まだ記事をチェックされていない、という方はぜひこちらから併せてご覧いただけますと幸いです。

参考:
障害者、ニート、心理学者と探究する、「社会的少数」の面白さ。 | シンポジウム | 2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展
ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について | e-ヘルスネット(厚生労働省)
The Highly Sensitive Person
HSPとは | HSP診断テスト

就労移行支援事業所を利用するにあたって知ってほしいことがある

●卒業生視点で、『これは事前知識として知っておいてほしい』と感じること

さて、今回のタイトル「知ってほしいこと」とあります。

この記事を読んでくださっている方の中には通所中の方もいると思いますが、『就労移行支援事業所に通いたいけれど迷っている…』という方もご覧になっているかもしれません。

今回は、そういった方にぜひ『事業所を利用する前に知っておいてほしいこと』を“3つ”、卒業生の視点からお話しさせてください。

【就労移行支援のポイント】事業所利用前に知っておきたいこと3つ

●ポイント1 すぐに通所スタート、とは限らない

1つ目のポイントは、『すぐに通所をスタートできるとは限らない』という点です。もちろんこれは僕自身の経験によるものであり、そうでないケースもあると付け加えておきます。しかし、事業所に「通所したい」といった日から利用開始…ということはないと思います。

どうしてなのか、順を追って説明していきますね。

ます就労移行支援は、『障害福祉サービス』に該当します。そのため、利用するためには地方自治体から利用の許可を得ないといけません。

ですから通いたい事業所が決まったら、事業所で手続きすることはもちろん、お住まいの地方自治体(区役所や市役所など)に申請しないといけないのです。

さらに申請したその日に終了、ではなく『認定調査』というものがあり、これも別に日程を確保して受ける必要があります。さらにその結果を受けて利用できるか否かを決める…という流れを経て、初めて本格的に事業所に通うことができます。

通いたい事業所を決めてから実際に事業所の利用を開始できるまで、時間がかかるということを覚えておくと良いかもしれません。

ちなみに僕は、2017年の12月にmanabyにお邪魔して、翌年1月に利用したい旨を決めました。その後本格的に通えるようになったのは、4月でした。その間クラウドソーシングなどで、ロゴのデザインをコンペに出したりキャッチフレーズのネーミングを応募したりしていました。これは通い始めてからPhotoshopを学ぶ予定があったので、その準備でやっていたものです。

僕の場合、それまでに通っていた就労支援センターとの関わりもあったので若干時間が掛かり気味だとは思いますが、参考としていただけましたら幸いです。

利用申請など、通うまでの準備について知りたい場合はこちらをご覧になるか、manabyのスタッフの方に相談してみてください(僕の時も親切に対応してくださいました)。

参考:障害福祉サービスの内容 |厚生労働省

●ポイント2 利用開始後、すぐに就職活動に移れるケースは少ない

2つ目のポイントは『利用開始後、すぐに就職活動に移れるケースは少ない』ということです。

もちろん、『就職できない』ということではありません。むしろ確実に自分に合う就職をするために、時間をかけるということです。

僕の時もそうでしたが、利用開始から半年間は、僕がどのような人間なのかを共有する時期として取り組んでいました。

当時僕は『すぐに働かないとお金がなくなる…』と不安に感じていましたが、今から考えると、より正確に自分に合う就職をするためには必要な時間であったと思っています。

事業所の方針や利用する方のタイプでも変化してくると思いますが、利用開始してすぐに『じゃ、どの求人受けようか』という話になるケースは少ないでしょう。

ですから通いはじめて数カ月は、『集中的に学ぶ時期』と捉えておくと良いと思います。利用期間中は原則就業すること(自治体の方針によって詳細は異なります)は禁止なので、経済状況を考えたうえで利用を決めることが大切になります。

●ポイント3 一人では得にくい“情報”を得るチャンスがある

ポイントの3つ目、『一人では得にくい“情報”を得るチャンスがある』ということです。これもどういうことか説明していきますね。

まず、一人でハローワークに通ったことのある方なら想像しやすいかもしれません。…なかなか希望の求人、見つからないですよね。むしろどう探せばどう出てくるかも分かりにくいところがあります。ある意味「コツ」をつかんでいないと難しいかもしれません。

僕もそうでしたが、ハローワークの窓口の方に相談すれば分かることもありますけど、あんまり話すのは嫌だなあ…と避けがちになってしまって、なかなか良い求人を知るチャンスがなかったことを覚えています(どう相談したらよいか、という新たな課題も出てきますし)。

ハローワーク以外にも今は色々仕事を探す手段はありますけど、それと自分がどう合うのかという点や、就職前にどんな情報を仕入れておいた方が良いのかなど、とにかく一人で情報を得ることに限界を感じていたのです。

事業所に通っていると、スタッフの方がハローワークの方と相談して僕たちに合いそうな求人をピックアップしてくれていたり(事業所によってスタイルは異なると思いますが)、外部の支援事業(=障害を持つ方の働き方のプロ)の方と相談できる機会もありました。

より確実な就職をするために、適切な情報を受けられることで、学ぶことや就職するためのノウハウを習得することに集中できたことが大きなポイントでした。

おわりに

いかがでしたか。

今就労移行支援事業所は、僕が利用していた時よりも遥かに社会に浸透し、事業所数も増えています。その支援スタイルも多岐にわたっています。

今回は事業所選びに比較的共通しているポイントについてお話しさせていただきました。利用前、利用中にわたり都度スタッフの方と相談しながら、不安を緩和させながら就職までたどり着きました。

もし今『就職どうしよう…』『どの事業所にしたらいいかわからない…』と悩んでいたら、ぜひお近くのmanabyに相談してみてくださいね。

※事業所検索はこちらからもできます → 就労移行支援事業所 manaby 事業所一覧


筆者紹介

林谷 隆志(はやしたに たかし)

1980生まれ。20歳から就職、警察官、運送会社の事務、障害を持つ方の支援サイトでのライターを経て今に至る。警察官時代、30歳の時にうつ病を発症したことがきっかけで発達障害の診断を受ける。以降自己研究の中で、HSP気質が強いことに気づくようになる。

【発達障害・HSP当事者ブログ】
GreenHeadの解放区
主に発達障害、HSP、ライティングの3つのジャンルをメインに記事を公開

【オンラインアートショップ】
Rainbow Cross Section 虹の断面図
自身のアート作品をダウンロードで購入できるオンラインショップを運営