うつになってわかった発達障害グレーゾーン。manabyで見つけた得意の活かし方

大学院を休学して就労移行支援manabyを利用したBさん。現在はmanabyの社員として、チームのデータ管理を支えています。

 

 

「好き」を軸に

「普通の小学生でした。でも今思えば、忘れ物が多かったかな」

 

小学生のときは、算数が得意でサッカーをやっていたというBさん。高学年になると受験に向けて塾に通い、忙しいながらも充実した子ども時代だったと振り返ります。

 

中高一貫校に入学してからは、吹奏楽部に入ってティンパニー、シンバルなどの打楽器を担当。土日も部活に打ち込み、甲子園に出場した野球部の応援にも行きました。

 

Bさんは自然と理系の道を歩み、大学では工学部に進学、応用情報を専攻します。パソコンと向き合う日々を過ごします。

 

大学3年になるとすっかり周囲は就職活動一色に。Bさんもキャリアセンターが主催する就職説明会に参加してみましたが、働くことのイメージがわかず大学院に進むことを決めました。

 

新しい環境で感じた違和感

春、ティーチャーアシスタントとしての新しい生活が始まりました。大学時代の友人たちはみな就職し、新しい環境でのスタートです。ところが、Bさんはなかなか馴染むことができませんでした。

 

「親しい人がいない環境で、さらに周りの学生は授業がなくても毎日研究室に来て研究に勤しむような熱量の高い人たちばかり。気圧されてしまいました」

 

夏が来る頃には眠れなくなり、昼夜も逆転。そのうち無断欠席が続くようになってしまいます。

 

「もしかしたら、うつかも」と感じたBさんは自ら病院を受診し、いくつかの病院を経て、現在のかかりつけ医のもとにたどり着きました。そこでうつと不眠の治療をする中で、初めてADHDの傾向があるかもしれないと指摘を受けたのでした。

 

社会復帰までのステップ

Bさんは3年ほど休学し、療養に専念しました。社会復帰を考えたときに、カウンセラーに紹介されたのが「就労移行支援」です。

 

そしてソーシャルワーカーとの面談で、manabyが在宅に強い事業所だと聞きました。

 

長く療養したことで体力が落ちているのを感じていたBさん。フルタイムで働ける気がしませんでしたが、テレワークなら始められるかもしれないと考えて、manabyの見学に行ってみることにしました。

 

「無料でここまで手厚いサービスが受けられるのか!」という感想を持ったBさんは、早速manabyで在宅訓練を開始。週に3回の訓練から始め、月に1度面接のために事業所に通所しました。

 

原則2年という期限に焦りを感じることもありましたが、少しずつ訓練日数を増やし、eラーニングで事務系スキル、プログラミングを学び直すことに集中しました。

 

特に苦労したのは「睡眠」のこと。支援員と試行錯誤しながら、両親の協力を得て生活リズムを整えていきました。

 

manabyで働く

生活習慣を見直して朝型生活を取り戻したBさんは、いよいよ就職活動に向き合います。働き方として「障害者雇用でテレワークを目指す」ことを決めると、その条件での求人が多いのが事務職だというのがわかりました。

 

それから事務の仕事を幅広く探していく中で、就労移行支援manabyを運営する株式会社manabyの障害者求人のことを知りました。

 

・障害者雇用の職業紹介もやる会社で悪い会社じゃなさそう
・テレワークで短時間からなので、無理なく働けそう
・日頃からパソコンいじりが好きな自分には仕事内容も合いそうだ

 

そしてBさんは採用選考を経て、人生で初めての就職が決まりました。

 

「チームのみなさんはフランクで質問しやすい。裁量を持って任されるところもあるし、しっかりフォローもしてくれる。とてもいい環境です」

 

Bさんが入社して9か月が経ちました。今は週5日、キントーンというノーコードツールを活用して、部署内のデータ管理アプリを作成しています。

 

一緒に働く仲間は「やりたいことを伝えると、一緒に考えて実現する方法を提案してくれるので、本当に助かっている」と感心していました。

 

今後、プラグインや拡張機能を活用してもっとかゆいところに手が届くようなものを創りたい、そんな仕事ができたらいい、と考えています。

 

「悩んで何をやればいいかわからない人に、就労移行支援をおすすめしたい。自分の強み弱みもわかるし、1対1で話を聴いてくれて、支援員が面接同行もしてくれる。一人で就活するのとは大違いです。障害によって働くことを諦めて暮らす道もあると思うけど、自分はいま働くことで趣味にもお金を使えるようになりました。初めてなのでまだこれが自分に一番合う仕事かはわからないけど、合わない仕事じゃない。今、仕事を楽しめています」

 

Bさんは、趣味である音楽ライブの演出を楽しみながら、テレワークで初めての挑戦を続けています。

(2024年7月取材)