【導入企業ストーリー】東成瀬村でITを学び、未来を創る!社会課題に向き合うなるテック

東成瀬テックソリューションズ株式会社(通称なるテック)は、秋田県東成瀬村が出資し第三セクター方式で設立された企業です。「日本の社会課題をテクノロジーで解決する」というミッションを掲げ、2021年に創業。ITなどのテクノロジー領域で地域課題を解決する技術支援事業と、教育福祉や生産加工など地域をより豊かに活性化を目指すスマートビレッジ事業を中心に事業展開をしています。

 

全員移住者!小さな村での挑戦

東成瀬村は、秋田県の東南端にある山村です。山林原野が93%を占めており、人口は2300名ほど(2024年3月末)。自然に囲まれる小さな村でIT人材を育て地方創生に挑もうと立ち上がったのがなるテックです。

 

「社員は現在63名、平均年齢は28歳。全員が移住者なんです」

 

そう教えてくれたのは、ソリューション本部 教育福祉領域、コーポレート本部 労務の佐藤愛梨(さとうあいり)さんです。

 

佐藤さんは、前職では老人ホームで生活介護を行っていました。介護現場にもICT機器が導入される一方で、業界は全体的にITの知見がないのが現状で、もっと学びたいという想いからなるテックに入社しました。

 

「未経験でしたが、福祉×ITをやってみたいと思って、それを実現できるのがなるテックでした」(佐藤さん)

 

プロフェッショナル本部 システムエンジニアでHR本部 採用も担当する河野明実(かわのあけみ)さんも、未経験からエンジニアを目指してなるテックに飛び込んだ一人です。

 

これまで介護と工場で部品管理の仕事を経験した河野さんは、工場でエンジニアと関わる機会がありその仕事に興味を持ったそうです。

 

「秋田では学ぶ場所も多いわけではありません。諦めかけていたときにテレビで特集されていたのを観て、IT業界に挑戦するにはここだ!と思って入社しました」(河野さん)

 

未経験からITプロフェッショナルへ

なるテックでは、未経験からITプロフェッショナルを目指せる研修プログラムが用意されており、入社後に希望に合わせて職種を決定します。2か月間の基礎研修を受講したのち、自分の進みたい道を選んで、実務を行いながら興味のある専門性を磨き、スペシャリストを目指していく仕組みです。

 

そんななるテックで、自学用に導入されているのがマナeです。

 

マナeが導入されてから約3か月。河野さんは週3日ほどマナeでの学習時間をつくっており、動画を繰り返し視聴しながら自分の言葉で書き出して覚えているそうです。

 

「研修ではバックエンド中心に学びますが、実務ではフロントエンドの知識も必要です。マナeでは実務に生かせる分野で学んでいて、HTML、CSSのほか、Gitも最近やり始めました。独学するにも何から学んだら……という状態だったので動画で基礎を学べたのはよかったですね」(河野さん)

 

マナeでどう学んだらよいかがわかって自己学習につなげていけるようになり、スキルアップのスピードがあがった、と河野さんは続けました。

 

ソリューション本部 生産加工領域に所属する畠山結衣(はたけやまゆい)さんはCADや動画制作など興味のある分野を自由に視聴していました。

 

「いまは農業部門で事業立ち上げの準備中です。具体的には稲作を行う準備をしていますが、これから農業にIoTを導入して様々な実験を行っていく予定です。だからいまは幅広く学びたいと思っています」(畠山さん)

 

畠山さんは、大学時代から街づくりに興味を持ち、卒業後は建設会社に就職。不動産事業部で賃貸担当を経験し、コミュニティを勉強したいと移住して、なるテックに入社。エンジニア研修を受けた後、叔父と一緒に農業をしたいという想いから農業部門で働くことを選択しました。

 

一つひとつの動画が5~10分と短く区切られているので空き時間に少しずつ視聴できるところ、そしてやってみたいと思ったら気軽にみられるし、やってみて違うと思ったら切り替えられるところがいい、と畠山さんは続けました。

 

「マナeにはいろいろな教材がそろっていて、研修とは別の分野についても気軽に学ぶことができるので、自分のやりたいことや進みたい道をイメージするのに役に立っていますね」(佐藤さん)

 

一人ひとりの学びから広がる地域の可能性

なるテックには、これまであまりパソコンを使ってこなかった方も少なくありません。オフィス系ツールやGoogleツールの基礎から学ぶことができるeラーニングは、重宝されていました。

 

「多くの人が未経験から成長していく会社。日々学び続けるのが大事です。マナeがそのサポートになるといいなと思います」(佐藤さん)

 

志を持つ社員たちの学びをサポートし、活躍の場を広げるためのたくさんの選択肢を用意するなるテック。そんな環境で、社員のみなさんはそれぞれに自らの学びを深め挑戦を始めていました。

 

農業のIoT化を目指す畠山さんは、毎日が学びの連続です。

 

「農業は土地によって、その管理方法や環境が全然違います。東成瀬に来て、この土地の農家のみなさんにこの土地の農業を教えてもらっています。人間関係を肌で感じながら、コミュニケーションやリーダーシップも学んでいるところです」(畠山さん)

 

システムエンジニアとして歩み始めた河野さんは、学ぶ中でわからないことがでてきたらまずは調べてみて、それでもわからなければ社内で活躍している有識者に聴くようにしています。チャットGPTも活用してわかりやすいことばに変換してもらっているそうです。

 

「自分が理解するまで時間がかかってもやる。わからないことをわからないままにしない。理解ができれば次につなげられると思います」(河野さん)

 

佐藤さんは労務として社員の学びをサポートしながら、就労継続支援B型事業所manaby CREATORS立ち上げも担当しています。

 

manaby CREATORSは自分らしさとITを学び、得意なことを生かして活動をする事業所。なるテックがmanabyのCSP(Chenge Social Partner)として8月の開所を目指しています。就労継続支援事業所がない東成瀬村で、障害のある方にとっての選択肢も増やしていこうという挑戦です。

 

秋田県の小さな村で、地域や未来をよりよくしたいと集まった人々のエネルギーが重なり、新しい地域のカタチが生まれようとしていました。

(2024年4月取材)

 

東成瀬テックソリューションズ株式会社 https://www.narutech.co.jp/

manaby CREATORS 東成瀬 https://manaby.co.jp/location/c-higashinaruse/

 

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