Oさんがmanabyで学び始めてから1年が経とうとしています。視線を遮るためのサングラスは欠かせませんが、コミュニケーションへの苦手意識が薄れてきた自分に気付きました。
小学生、中学生の頃から、コミュニケーションの苦手意識を自覚していたというOさん。何とか耐えながらやり過ごした学生時代でしたが、高校生になった頃家族に勧められて始めて通院。それから大学を卒業してからは、ひきこもりがちに生活をしていました。
「医師に障害年金の受給のために心理検査を受けてみたらどうかと言われて、初めてASD/ADHDと診断されました」
母の内職の手伝いや、親戚の子供に英語を教える家庭教師のようなことをしたことはありましたが、就職の経験はありません。
「このままじゃいけない」「働かなければ」と思い続けて何年かが過ぎていきました。そして20代後半に差し掛かった頃、Oさんは踏ん切りがついたと言います。
「機が熟した感じです」
仕事を探そうとハローワークに行ってみると、就労移行支援を利用してみてはどうかと提案されました。
就労移行支援について調べている中で、在宅に強いという就労移行支援manabyを見つけたOさん。しかし、自宅近くに事業所がなく、在宅で利用できても月に一度は通所しなければならないということを知りました。
人の視線に恐怖を感じてしまうOさんは、在宅勤務を目指してmanaby WORKSの利用を始めることにしました。eラーニングで学び、オンラインでキャリア相談ができるので、Oさんにピッタリのサービスでした。
早速、eラーニングでWordやExcelの知識や操作を学びました。
「画面を見ながら、実際に操作して慣れることができるのがとてもありがたい。講義の最後には、練習問題があり、これで自分の苦手な箇所がわかるようになるのも助かります」
在宅で働くために役に立ちそうな、MOSの取得を目指して勉強を続けています。
わかりやすいeラーニングにも満足していますが、意外な気づきがありました。
「オンラインでの定期面談が、思いのほか自分にとってよかった」
日頃家族や甥っ子以外と話す機会があまりないというOさんにとって、月に2回、キャリアや学習についてスタッフとオンラインで話すことが、コミュニケーションの練習になりました。いまでは苦手意識が薄れてきたとOさんは言います。
そして、自分の生活習慣が乱れていることに気づきました。毎回面談の終わりに、目標を立てて、それを少しずつ達成させていくことによって、乱れていた生活習慣を少しずつ改善していきました。
「自分は、新しいことを始めるときに臆病なところがあります。何をするにも不安が先に出てしまいます。しかし、manaby WORKSで相談していくうちに、自分の考えていた不安や悩みは、案外杞憂だったのかもしれないなと思うようになりました」
在宅で働くことができるのか、サングラスをしたままでも大丈夫か、そんな不安についてスタッフに話してみると、他社の事例や可能性について聞くことができました。
そして、自分の抱えている不安の多くは実はただ考えすぎているだけなのかな、と思えるようになりました。今では、やるべきことをやっていけば道は開ける、どんどん行動していったほうがいいと感じています。
Oさんは、スタッフと話して目標を決めながら毎日eラーニングに取り組んでいます。家族もよく頑張っているねと応援してくれています。
最近、ライティング講座も学び始めました。在宅で働くうえで、文章でわかりやすく伝えるための「書く力」が大切だと考えたからです。やってみると、文章を書くのが好きな自分にも気づきました。今後はオンライン講座や他の利用者との交流会にも参加したいと考えています。
「最初からいきなりは難しい。ちょっとずつ、できるところからやってみよう」
Oさんは、就職して自立した生活を送りたい、と頑張っています。
(2025年1月取材)