私のストーリー「自分の“今”と向き合ったら、自分を許して好きになれた」

20代のNさんが、うつ病・ASDの診断から就職まで、自らのストーリーを綴ります。

(この原稿は、manabyのeラーニングでライティングを学んだクルーさんご本人が執筆を担当しました)

 

これまでの経緯

私は、幼いころから勉強をするのが好きでした。新しいことを学ぶことに楽しさを感じ、テストで良い点数が取れるととても嬉しかったです。

 

しかし受験を経験して高校に入学してから、テストで良い点数が取れなかったらどうしようと強いプレッシャーを感じるようになり、心身の不調により学校に行けなくなってしまいました。

 

それから通信制の高校に転校し、卒業することができましたが、心身の不調は改善しませんでした。

 

そして進学や就職をした同世代の子たちに置いていかれたくないと焦る気持ちから、無理をしてアルバイトを始めました。うつ病だと診断された後も、自身の障害に対して向き合えずにいたのです。

 

障害と向き合うきっかけ

そんな私が、自身の障害と向き合うきっかけになったのは、主治医や両親から言われた「心身の健康を1番に優先してほしい。一度、ストレスを感じる環境から身を離して、ゆっくり治療に専念するのはどうか」という言葉でした。

 

これまでの私は、自身がどのような状態なのか知ろうともしませんでしたが、勇気を出して勉強もバイトもない毎日を過ごしてみることにしました。

 

すると、“知らず知らずのうちに頑張りすぎていたな”とか、“自分はこんなことにストレスを感じていたんだな”と気付きがうまれ始めました。

 

特に不調が改善していくにつれて「毎日生きるのが楽しい。これからはうつと向き合いながら、心身ともに健康でいたいな」と考え方が変わってたことに自分でも驚きました。

 

そうして徐々にうつ病の症状が安定し、また働きたい!と思えるようになるまで病状がよくなっていったのです。そして主治医と話し合い「障害と上手く付き合いながら働く準備をしていこう」と、就労移行支援を利用することに決めました。

 

出来ることから取り組んで

manabyに通おうと思ったのは、在宅就労に向けた訓練が出来るからでした。これまで、アルバイトのときもシフトが入っている日に突然体調が悪くなり、仕事に行けないという経験をしていたため、在宅就労ならば無理なく働けるのではと考えたのです。

 

それから入所が決まり訓練を始めるときには「自立して生活するために、長く安定して働きたい」という大きなゴールを設定し、そこに向けて小さな目標を立てていきました。

 

早く働きたい!と焦る気持ちもありましたが、そのたびに設定したゴールを思い出し、「出来ることからコツコツ取り組んでいこう」と地道に努力をしてきました。

 

訓練日数や活動時間を少しずつ増やしていきながら、主にeラーニングでPCスキルを学び、目標だったWordとExcelのMOS検定を取得しました。

 

また、訓練を始めて10か月が経った頃から就活をスタート。応募書類の作成やセミナー・オンライン説明会に参加し始めました。

 

一方で、これまで感覚過敏や他者とのコミュニケーションで悩んでいたこともあり、支援員や主治医に相談して就職を前に知能検査をうけることになりました。そして、ASDの診断が付きました。

 

書類づくりはとても大変でしたが「自分は障害特性上こんな苦手さがある」「これって自分の長所だったんだ」と改めて自身と向き合えたため、私にとってとても大事な時間になりました。

 

ありのままの自分を好きになれた

manabyで過ごした時間は私にとって宝物のように感じています。課題であった自身の障害理解を深めることができ、なにより「ありのままの自分」を好きになれたことは本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。誰しも、自分の“今”と向き合うことは、とても辛く大変なことだと思います。

 

でも私は、その分自分を許せるようになり、周囲の人に感謝の気持ちをもって日々を過ごせるようになりました。manabyでの経験を通して、一回りも二回りも成長できたと胸を張って言えます。

 

私は、manabyを卒業して働き始めます。これからも自分らしく輝けるように前を向いて生きていきたいと思います。

(2024年3月 クルーさん執筆)