就労継続支援B型で見つけた「自分に合う働き方」

 

Hさんは、軽度の知的障害を持つ男性です。事務職を目指していました。manaby CREATORSではパソコンを使った生産活動を行うので、事務職に必要なスキルアップを期待して入所を決めました。見学をしたときに、事業所が笑顔に溢れていたのが印象的だったそうです。

 

事業所に通い始めると、eラーニングでExcelとライティングを学びながら、Webメディア「novalue」の記事を作成していきました。

 

記事にするのは、自身が得意な分野について。つい長文になりがちですが、仲間から「もっと短くまとめたほうがいい」とアドバイスをもらい、試行錯誤して執筆をしました。

 

昼休みには歳の近い仲間と趣味のアニメや旅行について話しながら過ごし、「仲間から刺激を受け、たくさん学びました」とHさんは振り返ります。

 

自分と向き合い、見つけた職場

生産活動の傍ら、支援員と一緒に自己分析を深めていきました。障害について理解を深め、「自分には事務よりも軽作業や清掃の仕事が合うのではないか」と思うようになったそう。深く考えすぎてしまい、細かい部分を気にしてしまう自分と向き合いました。以前ビルメンテナンスの仕事に携わったこともあり、清掃員の仕事に興味を持ったのです。お互いを知ってから働きたいと思い、実習ができる職場を中心に探しました。そして出会ったのが今の職場です。

 

仕事でも続く学び

Hさんはいま、病院の清掃員として8時から15時まで働いています。

職場では、まずは先輩のまねをしてみてやってみたり、忘れないようにメモを取ったり、たくさんの工夫をしています。効率のいい方法を考えて、時間内に仕事を片付けることも意識しているそうです。入社してまだ1週間、慣れないことに戸惑うこともあるけれど、自分の得意なことも見えてきました。

「期待されているから、そう言われているんだな」と周囲の言葉を前向きに捉えて頑張っています。

 

自分にできることでみんなを笑顔にしたい

特別支援学校時代から、年下の子たちに対して自分には何ができるのかを考えていたというHさん。仕事でも「自分にできること」「得意なこと」で周囲を笑顔にすることを考えていました。

「病院がきれいだと、患者さんやそのご家族も安心して過ごせます。だからちゃんときれいにしたい。自分の仕事で『ありがとう』と言われると嬉しいです。」

 

Hさんは、応援してくれる家族や支援者のことを思いながら、まずは1年続けることを目標に、働くことを通して学び続けています。そして、悩んでいる方にこんなメッセージをくれました。

 

「悩むより進め!好きなことを軸にしてやってみたらいい。自分も変わりました。まずはやってみてほしいです」

 

(2020年6月取材)