大好きなイラストがお仕事に!学び続けるクリエイター

 

Dさんは、イラストが大好きです。小学生のころからイラストクラブに入り、特別支援学校を卒業してからもイラストを描き続けています。

 

manaby CREATORSとの出会いは2019年の夏でした。それまで通っていた就労支援施設が閉所することとなり、職員に紹介されて見学に訪れました。

 

ここでの活動はWebメディア「novalue」に自分の作品を紹介すること。eラーニングでillustratorのソフトも学べ、自分の描くイラストを活かせそうだと、入所を決めたそう。

 

思いを伝える手段としてのイラスト

manaby CREATORSに通い始めてからも、Dさんはとにかく描き続けました。
展覧会では「繋がる手と手、二人三脚になった足跡」と題した作品を制作。

 

「足跡は、人間にとって、生きた証。その二つの足跡が、磁石のように少しずつ近くに引き寄せられ、合体して、二人三脚を意味するハートマークに合体した様子を表現しました」とDさんは教えてくれました。

 

Dさんはこう続けます。
「言葉では表現できないほど傷つく経験をしてきて、人を信じられないと感じたり、二度と友達を作らないと投げやりになったりしたこともあった。でも、人と触れ合うことで、少しずつ人間不信を抜け出してきました。仲間との“チームワーク”を経験して、人を信じられるようになってきました。誰かとつながりたいと思えるようになった。作品では人と人との繋がりを表現したいと思いました」

 

仕事として描くこと

いま、Dさんはお仕事としてイラスト制作の仕事を任されています。Dさんの描いたイラストを見て、一緒にお仕事がしたいと声がかかったのです。

制作するのはカードゲームのイラストで、完成したら生活雑貨専門店などで販売される予定です。「とてもやりがいを感じています」と楽しみながら取り組んでいます。

※公式ウェブショップ『コトマグショップ』他で2020年10月29日より発売開始

 

仲間との時間

制作活動の傍ら、事業所の取り組みとして仲間たちと一緒にコミケ(コミックマーケット)に訪れました。この時は見学をするだけでしたが、次は自分も作品を持って参加したい、と意気込みます。

アートイベントへのボランティア活動にも参加しました。参加する子供たちに声を掛け、会場の片付けまで積極的に行いました。「チームワークを感じて、とても楽しいイベントでした」とDさん。

 

(チルドレンズ・アート・ミュージアムしおがま)

事業所で大好きなイラストを描き、技術を磨き、様々な経験を通して仲間の力を体感しています。

 

どんなに辛いことがあっても、何度でも人生をやり直して、自分が想い描く人生を歩みたい、というDさん。働くことに悩む方に、

 

「夢を持つと切なくなるけど、時々あつくなるもの。ひとりひとりあきらめず、生き方を貫いて」という言葉をかけてくれました。

 

Dさんの作品はこちら「novalue

 

(2020年6月取材)