コロナ禍に、オンラインでつながった新たなコミュニティ

マミさんは、2020年4月からmanaby WORKSを利用し始めました。実はその少し前、勤めていた会社の事業が廃止されることとなり、障害者雇用で配属されていた部署が解散することに。転職活動を始めましたが、その矢先の新型コロナウイルス感染症の流行で、思うように進められなくなってしまいました。「せっかくなら、この機会に学べるものはないか」と見つけたのがmanabyのeラーニングでした。

 

マミさんが、広汎性発達障害と二次障害としてうつと診断されたのは3年ほど前のことです。これまで接客や営業の仕事をしてきましたが、職場では怒られてばかり。転職を繰り返し、いつしか焦りと不安で家を出られなくなってしまいました。家族の勧めで通院したときに、初めて広汎性発達障害と診断されます。「まさか自分が発達障害だったとは」と、とても驚いたそうです。

 

それから就労移行支援を利用して就職し、ようやく周囲の理解を得ながら自分のペースで働けるようになったのが、前職でした。そんな職場が解散となってしまったのです。

 

心の距離が近くなるキャリアカウンセラーの存在

就職活動を続けながらスキルアップを目指したかったマミさんにとって、manaby WORKSはちょうどよかったようです。ITスキルを学ぶeラーニングだけでなく、カウンセリングサービスがあったことが特に惹かれたポイントでした。

 

大阪在住のマミさんは、学び方や就職活動について、仙台のスタッフにオンラインで相談をしています。

 

例えば、学習の時間を生活の中にどう組み込んだらいいか。
「自分に合う方法を一緒に考えてくれる。友達のように相談しています」とマミさんは笑います。

 

新しいコミュニティ

オンラインサービスを利用してみて、思わぬ効果がありました。manaby WORKSでは不定期に、利用者同士の交流の場としてイベントを開催しています。そのうちのひとつ、座談会では、就職活動に関することやストレス発散方法などのテーマに沿って、話し合います。

 

「就労移行支援は自宅から通える範囲の人との交流になるけど、オンラインではいろいろな地域からの参加者がいる。例えば言葉のイントネーションの違いだけでも話のきっかけになるし、意外な反応が面白い」

 

マミさんは新しいコミュニティを楽しみながらコミュニケーションの技術も磨いています。

 

アフターコロナの時代の新しい働き方へ

学びながら、就職活動を続けるマミさん。障害者雇用を目指していますが、一般の求人や在宅勤務など、働き方の幅を広げていきたいと考えています。障害者雇用でない場合も、上司には障害について開示して、お互いに分かり合える職場を探していきたいと言います。

マミさんは、毎日睡眠時間の記録を取り、食事時間も決めて過ごしています。就労移行支援に通っていたころ身に着けた習慣です。

 

「生活リズムさえ整えれば何でもできる」

 

先の見えないどんな状況でも、生活を整えて、前に進む力を蓄えていくことが大切だと、マミさんは教えてくれました。

 

ライティングとWordPressを学び、実践として自身のブログ「発達障がい者の奮闘記(リンク)」を立ち上げたマミさんは、今日も自分らしい働き方を探究しています。

 

(2020年6月取材)